#01【作文】光
前回「【作文】書き方」で記載したテクニックに基づいて、
今回は「光」というお題で書いてみます。
(昔に書いたものをリバイスしてあげるので結論の時事ネタが古いです。ご容赦下さい。)
Bテーマ:中尊寺金色堂
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あどけなさの残る澄み切った瞳、無防備に軽く開かれた艶やかな唇。耳元には大粒の真珠が飾られ、頭には深い青色で染められたターバンが巻かれている。振り返る彼女の清廉な姿に、私は目を逸らさずにはいられなかった。もし私がファウストであったならば、「時よ止まれ、お前はあまりに美しい」と口にしメフィストフェレスに魂を引き渡していたに違いない。
その「真珠の耳飾りの少女」を、絵画という永遠のものとして描きあげたのが「光の魔術師」として日本でも広く知られるヨハネス・フェルメールその人である。ターバンのそれのように、彼の作品に共通して使用される印象的な青色は、ラピスラズリを原料としたウルトラマリンによって描かれている。ラピスラズリ鉱石は「尊敬・尊厳・崇高」といった石言葉を持ち、当時は純金と同じかそれ以上の価値を持って取引されていたという。
日本においてもこのラピスラズリ鉱石が使われている建築物が存在する。
昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)によって世界遺産に登録された岩手県平泉にある中尊寺金色堂である。ラピスラズリ鉱石は金色堂の留め金具に使用されている。平泉の文化遺産には、仏教の浄土思想に基づいた平和を求める普遍的な精神が深く息づいている。中尊寺を中心とする寺院や庭園が、浄土を表すものとして高く評価され今回登録に至った。ユネスコ憲章には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」と理念が高らかに謳い上げられており、憲章に示された平和希求の精神は、まさしく藤原清衡をはじめ、奥州藤原氏が現世に実現しようとした浄土世界やその基調になった浄土思想と共通するものではないだろうか。
現に中尊寺を歩いていると、静けさと平和な空気に満ちており、木漏れ日からの優しい光が目の前を包み込む。そこにはまるで、フェルメールが描く少女のように凛として張りつめる空気が存在していた。
今、世界に目を向けてみると、エジプトでは選挙を巡り10人以上の死傷者が出ており、スーダンでは石油権益などを争って紛争が起き、北朝鮮では権力誇示のためにミサイルが放たれた。
世界中の人間が「耳飾りの少女」に見とれるように、世界中の人間が世界遺産となった「中尊寺」を訪れるように、そして、ラピスラズリの持つ石言葉のように、他の国民・宗教・文化を尊敬し合い、世界共通の平和を確立出来る日が訪れることを信じていきたい。
そしてその日まで、影に光を照らし続けていかなければならないのではないだろうか。フェルメールがそうしてきたように。
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以上。
#00【作文】書き方
【はじめに】
多くの就活生から極めて高い人気を誇るマスコミ業界
中でもNHK・民放・新聞・広告各社に入社する為には100倍以上の厳しい競争環境下にあるといっても過言ではない
上記のような企業は例年「作文」を試験の一つとしており
「光」や「波」といった抽象的なお題に対して
試験会場のその場でかつ60分程度で約1,000文字の作文作成が求められる
これに対して頭を悩ませている学生も少なくないはずだ
「文章を書く」というマスコミ業界において最も基本かつ重要な能力が問われており
時事問題や通常の筆記試験と比較しても作文の占める比重は非常に大きいと言えよう
然しながら、webサイトや書籍ではその作文試験に対して
具体的なテクニックやHow toを記載していることは少なく
「センス」の一言で済ませてしまっている感は否めない
本ブログでは実際にマスコミ企業から内定を得た筆者が
(個人的に感じ得た)基本的な作文テクニックを下記するとともに
次回以降そのテクニックに則ったオリジナルの作文を思いついたときに
都度都度、趣味のレベルで徒然投稿していきたい
これからマスコミ企業を受けようと考える学生の一助になれば幸いだ
(とはいえ真似をすれば絶対内定と言い切れるほど甘い世界ではないことは重々ご承知頂けていると思っているので誤解なきよう)
【基本テクニック_骨子】
私が考えるテクニックの骨子は下記3点に集約される
①教養のこじつけ
一つのお題に対して無関係な二つの事柄を結びつける
②音読
言葉選び/音感を大切に 読みやすさこそ良い文章
③共通項の時事結論
①で選んだ二つの事柄の共通項から問題提起をするような結論を導き出す
↑だけでは「???」「何を言っているんだ」と感じた方も多いかもしれない
ので詳細説明・具体例は下記していく
【基本テクニック_詳細】
①こじつけ
1,000文字を書くことが許されるなかでどう文章を展開していくか
よくあるパターンは「起承転結」だが今回提示するのは
2つの無関係な事柄を結びつけるという方法だ
これは起承転結より汎用性が効き ある程度広いお題に対応できる
例えば冒頭でも記載した「光」というお題が課されたとき
先ずはじめにやりだす作業は「光」に関連する事柄を連想することから始める必要がある
但し肝心なことはただ闇雲に連想するのではなく
それぞれ二つのテーマ(以降「Aテーマ」と「Bテーマ」)を教養あるネタ
で連想することが重要だ
Aテーマ:お題である「光」から連想される事柄
Bテーマ:お題である「光」から連想される事柄 or Aテーマから連想される事柄
これらのテーマは政治、宗教、映画、小説、音楽、美術、戦争と言ったものを選ぶと、
結論に繋げやすい
例)
A:フェルメール
(フェルメールは光の魔術師と称賛されるほど絵画における光の表現が秀逸)
B:中尊寺金色堂
(フェルメールが用いた画材であるラピスラズリが装飾として用いられている)
これらをどうこじつけ、一つの作文とするかは次回以降の投稿で書いていきたい
②音読
これは説明不要。とにかく自分の文章を一文一文音読しながら記述するべき
長ったらしかったりリズム感が悪いと思う場合は同義の別の表現がないか検討する必要がある
正直書き始めてからはこの作業が一番シンドイ
③共通項の時事結論
①で選択した二つのテーマから共通項となる部分を見出して
時事問題と結びつけて作文を締めくくる必要がある
これも言ってしまえば「こじつけ」と言えるがテーマ選びと違い
教養ではなく時事に結び付けるという点が重要になる
こちらも次回以降具体に作文をしたものを見ながら解説していきたい
上記3つのポイントを押さえ事前に2・3の作文を作成しておけば
あとは結論やつなげかたを工夫すればどのお題が来ても大体対応できる
こんなところで初回ブログは終了
色々と書き連ねましたが
次回以降はのほほんと自分が思いついた作文を都度都度徒然投稿して参ります